13人目の怒れる男

主に本や映画の感想など。語る人がいないのでブログに書いています。

高橋是清自伝(上)

この人のことはほとんど知らなかったが日露戦争時に財政面で活躍した、経済政策で手腕を発揮したとどこかで読んで個人的に気になっていた。明治の松方正義、昭和の高橋是清と言われるぐらいだから凄い人に違いないと思い手に取った一冊。

読んでみて思ったのはまず人との繋がりがものすごく濃いなということ。交友関係がかなり広くて、人生やキャリアの転機が何度もあったようだがほとんど人間関係からもたらされているように感じた。時代の違いなのかこの人の人望なのか、ろくに話せる友人さえいない自分とは人としての器が話にならないくらい違う。

また筋の通った性格で、間違いだと思ったことは上司相手だろうがはっきり言えることもすごいなと。自身の利益や保身だけでなく、国のためとか自分の信念のためとか大義や志を持つからこそできるんだろうか。10代で一人で渡米して生活してるのも強い。

意外に思ったのは20〜30代で職を転々としていて定職についていないこと。キャリアよりも自分に嘘をつかない、誇れる生き方を選んでいるようにも見受けられた。時代が違うのでキャリアという面では参加にならないが、大成する人はやはり志の高さや目線の高さ、人としての器の大きさが違うなということを思い知りました。