13人目の怒れる男

主に本や映画の感想など。語る人がいないのでブログに書いています。

生涯投資家

村上ファンドで有名な村上世彰さんの回顧録村上ファンドが世間を騒がせた2006年頃は中学生だったので名前を知っている程度だったが、当時の投資ビジネスの最前線で何が起きていて、その中心にいた人達が何を考えどう行動したのかを知ることができる。

村上さんは終始一貫して投資家目線のコーポレートガバナンスの必要性を説いていて、全く専門知識はないけど、アメリカとの比較などなるほどと説得力があるよう思えるのも確か。要は過剰な内部留保をやめて借り入れなど積極的な財務戦略を行い、資金を循環させて経済を回していくことが必要で、資金が無駄に滞留している日本とうまく循環しているアメリカとの差がそのままここ数十年の株価にも反映されているということらしい。

読んでいていかにも官僚的で理想主義的な人だなという印象だけど、自分の理想や信念を貫くことは普通の人にはできない難しいことだろう。投資家としてはおそらくかなり優秀で稼ごうと思えばいくらでも稼げてしまうであろう人なので、なおさら。

個人的に参考になったのは現在は東南アジアで成長著しい中間層向けのマンション開発をしているようで、最近日経で読んだクリードの社長と全く同じマーケットに着眼していること。このマーケットっていま相当儲かるんだろうなあ。