13人目の怒れる男

主に本や映画の感想など。語る人がいないのでブログに書いています。

ロリータ(1962年)

キューブリック作品がいくつか好きなのと、タイトルに惹かれて観てしまった。

結論から言うと、観なくてもよかった。ロリータを連れ回して抑圧しようとする主人公の行動は、もはやロリコンという単なる性的嗜好に収まらず、前時代的・中世的な匂いがして観ていて不快だった。そもそも性的嗜好以前に、人を騙したうえで傷つけ死に追いやったことに何の罪悪感も表現されていなかったことに戸惑った(本筋ではないのだろうが)。全体的に、ロリータに限らず人の扱いが軽くて、観ていて不快感と嫌悪感を覚える映画だった。

他のブログ記事を調べると、原作となった小説は実際の事件に基づいているとも言われているし、キューブリックは男の偏愛を茶化す意図があったとも言われている(いずれも確証はないので真意は分からない)。もしキューブリックにその意図があったとしたら、本作はある意味コメディ的な映画として観るべきで、自分が考えすぎているだけなのかもしれない。